よはくのらくがき

2005年から社会人、2016年からフリーランス。時折会社員へと往復したり、色々働くを実験・実践中。気づいたこと考えたことをまとめていきます。

複業フリーランスを6年やってみた考察

こんにちは。

複業フリーランス(以下フリーランスと書きます)を6年強やって、最近久しぶりに会社員になって1ヶ月が経ち、

感じたこと、考察したことをまとめてみます。

 

フリーランスや複業という働き方をしている人、これからしようかな、と思われている人に、何らかの示唆がお届けできたり、貢献ができたら嬉しいです。

 

■目次

0)複業と副業・兼業の違い

1)フリーランスに向く人、向く時期

2)フリーランスになる/であることのメリット

3)フリーランスになる/であることのデメリットとリスク

4)結論

 

0)複業と副業・兼業の違い

本論に入る前に、複業と副業・兼業の違いについて論じておきます。

(この考察を書く上で、とても大事な論点だと考えます)

 

「複業 副業 違い」ググったらいくつか記事が出てきますが、

複業と副業・兼業の違いは、「軸足があるかないか」とここでは定義します。

(法律やルールで明確に決まっているわけではありません)

本業や軸足があって、「あくまでサブで」副業に取り組むことと、

全てが本業であって全てが本業でない複業では、立ち位置が大きく異なり、

また得られるものや感じることにも大きな違いがある、と考えています。

 

収入面での割合や依存度の大きさや、掛ける時間の割合も無関係ではありませんが、

必ずしも収入割合が多いから本業、少ないから副業、というわけではありません。

 

重要なのは、「複業をしている」のか、「副業・兼業をしている」のかを

自身がしっかり考え、認識していることだと考えます。

(認識が正しいかどうか、は重要ではありません)

 

なお補足まで、いわゆる社会制度上「会社員である」からといって、必ずしも「複業ではなく副業・兼業である」というわけではないです。

(私の知り合いにも、「複業をしているサラリーマン」はたくさんいます)

 

上記踏まえて、以降では「複業」の「フリーランス」について論じていきます。

 

1)フリーランスに向く人、向く時期

この考察を書くにあたり読んだ記事のリンクを貼っておきます。

フリーランスに向いている人、向いていない人論 - たかはしウォーカーのブログ - Medium

フリーランスという働き方を選んではいけない人の4つの特徴 | INST blog

 

私は、フリーランスには「向く人」と「向く時期」があると考えています。

なお、向く人は先天的に決まっている、ではなく、後天的に身に付く「複業力」があると考えています(かつ、個人的にプログラムとしてまとめたこともあります)が、それについては別の機会があれば論じます。

 

まずは「向く人」から。

切り口はたくさんあると思いますが、

・「自ら交渉することを苦にしない」または「交渉不要なだけの、十分なスキルや経験がある」

・自身の得意と苦手を理解し、得意を「売り物」にできる

の2点がカギかなと考えます。

 

交渉ができる・得意、ではなく、「自らすることを苦にしない」と書きましたが、

交渉力は後からでも身に付くと考えるためです。

なお交渉の内容は、契約金額だけではなく、仕事の内容や仕事をする上での諸々の自由度や、「やりたくないことをやらないと言えるか」なども含みます。

 

次に「向く時期」について。

私は「万人が」「いつでも」複業に向いているとは考えていません。

今取り組んでいることに、100%注力したい!という時期は、

むしろ専業(副業・兼業すらせずに)すべきです。

 

一方で「複業に向く時期」は、

メタ認知があることが今取り組んでいることにも効果的」であったり、

(この場合は、複業ではなく副業の方が良い場合もあります)

「自身のスキルや経験に向き合いたい、より自由な市場に晒してみたい」

であったり、かなと考えます。

 

2)フリーランスになる/であることのメリット

フリーランスになる/であることには、メリットがたくさんあります。

ここでは、私が特に重要だと思う4つのメリットを記述します。

 

■圧倒的にメタ認知が進む

まずはこれです。

ある日はA社で働く私、とある日はB社で働く私、別の日はC社で働く私、、と、

それぞれ異なる仲間と、もちろん契約にもよりますが、少しずつ違う仕事をする私がいることになります。

A社で強みな部分がB社だとウィークポイントになったり(ここまで極端なことは実際にはあまりないです)、

A社では強みな部分がC社だとそうでもなかったり(これは割とあります)、

A社でもB社でもC社でも共通して強みとなる部分が見つかったり、

自分自身について絶えずいろいろな角度からの発見があります。

 

また、自分が取り組む領域(私なら主に組織や人事に関すること)において、

それぞれの会社の特徴を、同時に体感として認識できることも大きなメリットです。

(あと、「色々な会社見てる中で、ウチどうですか?」ってよく聞いてもらえるので、

 言語化してアウトプットする機会にも恵まれやすいです)

 

■ポータブルスキルを得やすい、伸ばしやすい

次に、スキルの面では、ポータブルスキル(特定の環境だけではなく、どこへ行っても通用する種類のスキル)を得たり伸ばしたりする機会に恵まれます。

専業だと、自分のスキルや経験が自社でしか活かせない、自社に極端に最適化される(知らずのうちに、含め)ことがあります。

もちろん、自社で活躍できることはとても重要ですし、1つの環境でずっと働くことが悪いわけではありません。

一方で、いつの間にかガラパゴス化している、それに気づかない、ということは起こりえますし、リスクになりえます。

その意味で、ポータブルなスキルや経験に目を向ける、それを見つけたり伸ばしたりすることは、大きなメリットの一つと言えると考えます。

 

フリーランス仲間が増え、やれることが増える

3つめはこれです。類は友を呼びます。

色々な情報交換をしたり、考え方に刺激をもらえたり、

あと、自分ができることや得意なことは限られているので、

「これ、自分より●●さんの方が得意そう!」

「■■さんがいたらこの課題解決できそう!」

ということをお願いしたり、逆にお願いされたりと、

色々なご縁で繋がる機会は多くなると思います。

やれることが増える、は、必ずしも自分じゃなくて良いな、ということが増えて、

それも含めると、結果として提供できる価値が増える、という意味で書いています。

 

■社会の仕組みを体感できる

最後に、フリーランス=個人事業主orひとり法人、という意味でのメリットにも言及します。

(私は個人事業主もひとり法人も経験しました)

保険や税金など、会社に勤めていると会社がやってくれるもの、結構たくさんあります。

会社がやってくれるのは本当にありがたいことな一方で、これらを「自分で払ってみる」「自分でやってみる」という経験自体は、

一度やってみると、社会の仕組みへの理解という意味でとても良いです。

(面倒ではありますが)

 

3)フリーランスになる/であることのデメリットとリスク

一方で、フリーランスになる/であることにはデメリットやリスクもあると考えます。

(手放しにフリーランスバンザイ!というつもりは全くありません。向かない人や時期は確実にあると思います)

色々な切り口はあると思いますが、私が考える主なものは以下の3つです。

 

■基本的に誰も育ててくれない、成長を気にしてくれない

会社には、良くも悪くも「メンバーシップ」の要素があります。

もちろん会社にもよりますが、会社には「人材育成」というテーマがあって、

社員の成長や育成を支える仕組みや取り組みがあります。

(それが会社の競争力であったり事業と組織の成長につながったりします)

もちろん、社員以外の成長やパフォーマンス向上を考える組織もありますが、

まだまだ一部ですし、会社というメカニズムを考えると、どちらの成長や育成が優先度高いですか?と聞かれれば、まず間違いなく社員でしょう。

となると、フリーランスである時点で、「プロとしてのパフォーマンス」を期待され、磨かれる要素はあります(要求に届いていなければ指摘もあります)が、育成や成長の観点は自分で担保することが必要になってきます。

 

■新しい仕事は常に自分で見つけねばならない

上記とも近いのですが、会社に勤めていると、「キャリアパスに沿った新しいアサイン」を考慮されることが多い一方で、

業務を依頼しているフリーランスに対して、「新しいチャレンジの機会を」という視点でアサインすることは、メカニズムとしては生じづらいです。

なので、新たな成長やチャレンジの機会を得るためには、自ら動いたり、提案したりする必要があります。

(もちろん会社に勤めていても多少なり同じ要素はあると思いますが、バランスや傾向は異なると思います)

 

■「軸足がない感」を感じやすい

専業/副業・兼業と比較した場合において、軸足がない感を感じやすいです。

私自身、6年フリーランスを経験する中で、「今最も注力しているの何ですか?」と聞かれるケースが結構ありました。

都度タイミングにおいて「最も力を入れていること」はありましたし、頂いたお仕事はどれもきちんと注力しました(常に成果が出続けたか、、と言われると、申し訳ないケースもありました)が、

「あれ、今、軸足なんだろう?」と感じる機会は多々ありましたし、時にはそれが不安に繋がることもありました。

(良い悪いと一概に言えるものではないとも思っていますが)

 

4)結論

フリーランスや複業・副業を検討されている方へのメッセージを結びとさせていただくと、

「メリットやデメリットをしっかりと理解した上で、しかるべき時期に実際にやってみるのはとてもおすすめ」

です!

(既にやられている方への結論は特にないです。新たな視点の補完が一つでもあったら嬉しいです!)

 

長くなりましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました!

 

リクエストされてもないですが、次回は「複業先の選び方」を書こうと思ってます!