こんにちは。
最近仕事の相談をする中で、企業が事業戦略を立てるのと、個人のキャリア作りって、
重なる部分が大いにあるなぁと感じています。
今回は、「スキルセットも、ポートフォリオを意識して組み立てると良いな」
という話です。
<目次>
企業も人も環境適応
個人のスキルや仕事もポートフォリオで考えよう
<本文>
(知ってるよ、という方は読み飛ばしてください)
経営学の教科書とかに、プロダクト・ポートフォリオ・マトリクス(PPM) という概念が出てきます。
検索したら色々と出てくるんですが(PPMだけで調べると、理科の単位も出てくるので注意)、ボストンコンサルティンググループさんが1970年代に提唱した概念です。
ざっくり言えば、
・「事業が置かれる市場の成長性」と「市場における自社のシェア」の二軸で、事業をマッピングできる
・企業が持続的に成長するためには、マトリクス上での自社事業をマッピングし、バランスよくポートフォリオを組むことが必要
という考え方です。
企業も人も環境適応
新卒で入った会社で、最初に「企業は環境適応業である」と教わりました。
ざっくり言うと、
「生物は、強いものや賢いものが生き延びるのではなく、環境に適応したものが生き残る。企業も同じで、環境に適応した企業が生き延びる」
という考え方です。
で、個人の仕事に置き換えても、全く同じことが言えるなと思います。
10年後に無くなる仕事、とか、機械(AI)に置き換えられる仕事、とか、よく言われますが、
AIが話題になる前から、というか遥か昔から、技術は進歩し、仕事は置きかわり続けていて、
市場環境に目を向け、市場が求められる付加価値(仕事において)を提供し続けることが必要です。
自工会の豊田会長、日本の終身雇用「守っていくのが難しい局面」 :日本経済新聞
45歳以上はクビ!? NEC、富士通、コカ・コーラetc.でリストラが進行中 | 日刊SPA!
最近ニュースでもこれらのトピックが増えてきていますが、
まさに環境への適応がこれまで以上に問われている、ということだと思います。
全てが変わるわけじゃなく、普遍的なものもありますが、そこをしっかり意識し、見定めることも重要です。
個人のスキルや仕事もポートフォリオで考えよう
上記を踏まえ、今日の本題・主張はここです。
個人のスキルや仕事についても、同様の考え方で捉えて、今の仕事やスキル習得を配分するのが大事だ(そしてあまりそういう考えで棚卸したりしている人は少ない)と考えます。
あらゆるスキルは、向き不向きや先天性はある上で、訓練によって身につき、他者と差別化を図れるレベルにまで昇華します。
(先天的なもの「だけ」では、第一線で価値を提供し続けるのは難しいです)
PPMに倣って、スキルをマトリクスで表してみました。
左の仕事が多いと、それだけその時の発揮価値・収入は多くなります。
このマトリクスを考える上でのポイントは、以下の3つだと考えます。
1)マトリクス左方向へ力学が働く
報酬は少ないよりは多い方が良いので、「今価値を出せる、稼げる仕事」を選択する傾向があります。
企業も、同じ報酬を支払うなら、より価値を提供して欲しいので、
スキルマッチの中途採用や、業務委託とかだと、①のマッチが多くなる傾向にあります。
(大企業のジョブローテーションとかは、報酬を変えずにここのバランスを取りにいくので、その点ではすごいなーと思います)
左方向に働く力学は、「働く人個人の心情」によって生じます。
2)マトリクス下方向へ力学が働く
原則的には、時代が進むにつれ、今持っている技術は古くなり、陳腐化します。
(しかも段々早まっていきます)
なので、今持っている技術やスキルは、アップデート(または別の新たなスキルを習得)する必要があります。
3)③を習得するのは仕事とは限らない
③は、意識的に取らないと得られません。
対価を頂く仕事の機会で習得できれば良いですが、それが難しそうであれば、
仕事とは別の領域で、習得することが重要になります。
(対価を支払って学ぶ、ということも時にはあると思います)
もし、お読み頂いて「なるほどなー」と少しでも思っていただけたら、
自分が持っているスキルや知識が、マトリクスのどこに当てはまるか、
をマッピングしてみて頂けたら嬉しいです!
(ちなみにこのブログを書いてるのは私にとっての③です。仕事じゃないけど)