最近、割と色々なところで、評価や報酬って難しいよね、という話を
したり聞いたりする機会が増えてきました。
なんでかなーとあれこれ考えてみたので、備忘録がてらまとめてみます。
【サマリ】
1)評価の仕組みには正解がなく、都度都度の最適解しかない
2)「測れない・測りづらいもの」と、上手に付き合おう
3)「ルールづくり」と同じくらい、「リテラシー向上」に力を注いだ方が良い
まず、何が一番難しい(というかもどかしい)かというと、正解がないんです。
ちゃんと制度を作るって、真面目にやると結構時間が掛かると思うんですが、
組織とか、環境とか、市場の状況が都度かわるから、時間を掛けた割に「効果が得られた感」を得づらいように思います。
(しかも、年々難易度が上がっているように思います。その理由は後述します)
なので、とても「もどかしい」です。
ではなぜ、測る仕組みを作る難易度が上がってるか、なのですが、
「測れないものを定量化しないといけない」機会が、昔に比べて増えたからです。
昔は、「作れば売れる」が強かった時代なので、
営業成績や、商品の歩留まり率、ロス率など、成果を測ることが比較的簡単でした。
かつ、営業ができる人=説得するのが上手い人、という側面もあるので、
組織内で、「数値を上げられる人=成果が大きい人」という価値観も、強かったと思います。
今は、「売れるものを作らないと売れない」時代なので、
(社会全体の流動性が高まったり、流通する情報量が増えたり、などによって)
良いものを作る、ということへの価値の比重が、上がってきました。
あるいは、「安心・安全」であることの価値も高まってきているので、
「安全を担保する」ことの価値や難易度も、上がってきています。
でも、ここで難しいのは、「良いものを作る」とか、「安全を担保する」ことって、
案外測りづらいんです。
例えば、単位時間あたりにコードが多く書けるエンジニアが優秀なエンジニアか、というと、必ずしもそうではないですし、
デザインとかクリエイティブに至っては、みんなが納得する点数付けはナンセンスだと言えると思います。
そんな状況で、全てを測ることはとても難しいことなのですが、
人は測りたくなる性質がある(みんなじゃないかもしれないけど)のと、
測った結果(報酬)は、測れる形で出すことになるので、
どうにも、「もどかしさ」が生まれます。
では、どうすればよいの?が、最後に来るんですが、
ルール・仕組みづくりは、たえず行い続ける、見直し続ける、アップデートし続ける、
という姿勢をもつ(実際にそうする)のと、
「組織内の評価に対するリテラシーを上げる」ことに、知恵と時間を使うことが、
最適解なのかな、と思います。
具体的には、「ルールを正しく伝える」「ルールを正しく理解する」「評価をしてみる」「評価の振り返りや、フィードバック、訓練をする」などに、
きちんと時間と思考を投入する、ってことかなーと。
この部分、何度も繰り返して、検証して、新しいルールに適応して、というのは、
多くの人があまり意識していない分野(鍛えていない筋肉)だと思うので、
少しだけでも意識を振り向けることで、良いことは結構あるなぁと思います。
(個人単位でこの訓練をすることは、例え会社をまたいでも有効なスキルだと思います)