よはくのらくがき

2005年から社会人、2016年からフリーランス。時折会社員へと往復したり、色々働くを実験・実践中。気づいたこと考えたことをまとめていきます。

評価リテラシーを高めよう

最近、割と色々なところで、評価や報酬って難しいよね、という話を

したり聞いたりする機会が増えてきました。

 

なんでかなーとあれこれ考えてみたので、備忘録がてらまとめてみます。

 

【サマリ】

1)評価の仕組みには正解がなく、都度都度の最適解しかない

2)「測れない・測りづらいもの」と、上手に付き合おう

3)「ルールづくり」と同じくらい、「リテラシー向上」に力を注いだ方が良い

 

1)評価の仕組みには正解がなく、都度都度の最適解しかない

まず、何が一番難しい(というかもどかしい)かというと、正解がないんです。

ちゃんと制度を作るって、真面目にやると結構時間が掛かると思うんですが、

組織とか、環境とか、市場の状況が都度かわるから、時間を掛けた割に「効果が得られた感」を得づらいように思います。

(しかも、年々難易度が上がっているように思います。その理由は後述します)

 

なので、とても「もどかしい」です。

 

2)「測れない・測りづらいもの」と、上手に付き合おう

ではなぜ、測る仕組みを作る難易度が上がってるか、なのですが、

「測れないものを定量化しないといけない」機会が、昔に比べて増えたからです。

 

昔は、「作れば売れる」が強かった時代なので、

営業成績や、商品の歩留まり率、ロス率など、成果を測ることが比較的簡単でした。

かつ、営業ができる人=説得するのが上手い人、という側面もあるので、

組織内で、「数値を上げられる人=成果が大きい人」という価値観も、強かったと思います。

 

今は、「売れるものを作らないと売れない」時代なので、

(社会全体の流動性が高まったり、流通する情報量が増えたり、などによって)

良いものを作る、ということへの価値の比重が、上がってきました。

あるいは、「安心・安全」であることの価値も高まってきているので、

「安全を担保する」ことの価値や難易度も、上がってきています。

 

でも、ここで難しいのは、「良いものを作る」とか、「安全を担保する」ことって、

案外測りづらいんです。

例えば、単位時間あたりにコードが多く書けるエンジニアが優秀なエンジニアか、というと、必ずしもそうではないですし、

デザインとかクリエイティブに至っては、みんなが納得する点数付けはナンセンスだと言えると思います。

 

そんな状況で、全てを測ることはとても難しいことなのですが、

人は測りたくなる性質がある(みんなじゃないかもしれないけど)のと、

測った結果(報酬)は、測れる形で出すことになるので、

どうにも、「もどかしさ」が生まれます。

 

3)「ルールづくり」と同じくらい、「リテラシー向上」に力を注いだ方が良い

では、どうすればよいの?が、最後に来るんですが、

ルール・仕組みづくりは、たえず行い続ける、見直し続ける、アップデートし続ける、

という姿勢をもつ(実際にそうする)のと、

「組織内の評価に対するリテラシーを上げる」ことに、知恵と時間を使うことが、

最適解なのかな、と思います。

 

具体的には、「ルールを正しく伝える」「ルールを正しく理解する」「評価をしてみる」「評価の振り返りや、フィードバック、訓練をする」などに、

きちんと時間と思考を投入する、ってことかなーと。

 

この部分、何度も繰り返して、検証して、新しいルールに適応して、というのは、

多くの人があまり意識していない分野(鍛えていない筋肉)だと思うので、

少しだけでも意識を振り向けることで、良いことは結構あるなぁと思います。

(個人単位でこの訓練をすることは、例え会社をまたいでも有効なスキルだと思います)